那須塩原市議会議長 君島 一郎殿

予防原則を基本とした
子ども達の被ばく低減と健康調査を要望する陳情書

陳情者 那須野が原の放射能汚染を考える住民の会
代表者:〒329-2756 栃木県那須塩原市西三島3丁目183-85 西川 峰城

自由学園那須農場
代表者:〒329-3155 栃木県那須塩原市笹沼445       幼方 英次郎

学校法人 アジア学院
理事長:〒329-2703 栃木県那須塩原市槻沢442-1 大津 健一

学校法人西那須野学園 西那須野幼稚園
園 長:〒329-2754 栃木県那須塩原市西大和6-15 福本 光夫

陳情内容
陳情の主旨
那須塩原市には、福島県内と同程度の放射能汚染を受けた地域が広がっているので、本市の18歳以下の子ども達が、福島県の市町村の子ども達と同じように、放射線被ばくに関する経年的な健康調査を受けられるように陳情します。
具体的には、
1. 外部被ばくの調査
全児童と生徒を対象に、個人積算被ばく線量の調査(ガラスバッジ検査)を、本年度のみならず経年的に実施すること。実施済みのガラスバッジ検査は、全児童・生徒という目標からは程遠いものであり、文字通り全員を対象に実施すること。
2. 内部被ばくの調査
市長の立候補時の公約であったホールボディカウンターを早急に導入して、全児童・生徒を対象に、被ばく状況を経年的に把握できるようにすること。また、妊婦の希望者にも無料で検査を実施すること。
3. 個人生活指導
上記1または2の被ばく調査の結果が高い子どもに対しては、専門家、または専門家から教育訓練を受けた人材による個別生活指導を実施すること。
4. 健康調査
血液検査や甲状腺検査を、全児童・生徒を対象に実施すること。
5. 健康手帳
1から4に述べた検査結果を記録できる健康手帳を、全児童・生徒に配布すること。

陳情の理由
1. 那須塩原市の放射能汚染は、栃木県の平均的な状態ではありません。福島県の中程度汚染地域と大差ないところがあります。従って本市で育つ子ども達は、福島県の子ども達と同じように扱われなければなりません。
2. 現時点の汚染の内の半分以上を占める原因物質であるCs-137は半減期30年と非常に長いことから、山菜やタケノコ、キノコ、何種類かの果物、川や海の魚から国の基準を超える放射能汚染が見つかるのは今年だけではなく、当分の間続くと覚悟しなければなりません。対策は長期に渡って計画されねばならないのに、本市は総合的かつ経年的な対策の体系を示していません。
3. 低線量被ばくの健康への影響は解明されていません。この場合、対策は「予防原則」に基づいてなされなければなりません。特に長い将来のある子ども達への対策は、この線に沿って、十分安全サイドになされる必要があります。グレーにはグレーの対策を!もし黒だったら、分かった時にはもう遅いのです。
4. 「安心」は、「安全」を追求する真摯な姿勢から生まれるものであり、「安心」自体はこれを目的にすべきものではありません。「安全」を追求する市政を徹底してこそ、この市に観光客がもっと戻って来るし、その他の産業の発展があると考えます。
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